まちの風土やカルチャーと出会う旅の映像記録「Prologue」。今回は、宮古島の「HOTEL LOCUS」を起点に、島の人々の日常に触れながらまちを巡ります。海や自然だけでなく、ローカルな場所への訪問を通じて感じた、あたたかい旅の記録を映像で描きます。

僕はこれまで宮古島に行く機会がありませんでした。

海がきれいで自然が豊かな島、そんなイメージは持っていましたが、「きれいな海なら海外にもたくさんあるし、いつか行けたらいいかな」くらいに思っていたのが本音です。でも今回、自分でカメラを回しながら島を歩き、撮影して編集する中で、その印象は大きく変わりました。ファインダー越しに見る景色は、単なる“きれいな風景”ではなく、その場の空気や時間の流れまで含めて感じられるものでした。

宮古島の魅力は、海や自然だけではありません。何気ない日常や人との距離の近さ、ゆっくり流れる時間そのものが、撮っていく中で印象に残っていきました。この動画には、旅の記録としてだけでなく、カメラを通して感じた宮古島の空気をそのまま残しています。

Editor’s note – 編集ノート – 

曇り空もまた、この島らしく

朝、カメラを手に外へ出ると、空は思っていたよりも曇っていました。

島の天気は変わりやすいと聞いていましたが、その変化もまた、この土地らしさのひとつ。晴天の景色はもちろん美しいですが、雲の流れや光の変化によって、その瞬間にしか見られない表情が生まれます。

一方で、撮影する側としては気が抜けません。突然の雨で機材が濡れる心配もありますし、予定していた撮影プランをその場で変更することもあります。きっと今日は、そんな予測できない自然と向き合いながらの一日になるのだろうと思いました。

でも、同じ景色は二度と撮れない。その瞬間だけの光や空気感に出会えることが、映像を撮る面白さだと感じています。

迷いながら歩く宮古

とはいえ、その片隅まで撮ってみようと思っていました。天気は気にせず、まちへ出発。今日はたくさん歩きながら、島を冒険します。まちには坂道や細い路地がたくさんありました。建物はまるで植物に飲み込まれているかのようで、まちと自然の境界線がとても曖昧に感じられます。どこまでが人間の場所で、どこからが自然の領域なのか。その境目ははっきりとは見えませんでした。

そして、猫たちはまるでこのまちの主であるかのようにいたるところで歩き回っています。僕のレンズを避けて逃げていく猫もいたり、逆にこちらについてくる猫もいたり。本当は人にフォーカスを当てて撮ろうと思っていたのですが、どこへ行けばいいのかわからず、気づけば完全に迷子になっていました。

色に導かれる視線

天気が悪い日は空の表情も冴えません。しかし不思議なことに、まちの中にはたくさんの色のヒントがありました。黄色や青といった鮮やかな色彩が、まちのアーティスティックな一面を見せてくれます。その色たちは、人の存在や暮らしの温かさを感じさせてくれ、どこか安心する気持ちになりました。

そして、その色はまるで次の被写体への道しるべのようでもありました。迷いながら歩く僕の視線を引き寄せ、気づけば色を追うようにレンズを向け、その先へと足を運んでいました。

灰色の街並みに彩りを見つけながら、どのように撮れば魅力が伝わるのかを考えます。まるでまちと対話をするように、撮り方を探りながら冒険を続けました。

焼きたてのパンに誘われて

しばらく歩いていると、街角で気になるパン屋さんに辿り着きました。焼きたてのパンの香りとコーヒーの香りに誘われて、思わず足を止めます。人が店先に並び、看板もどこか可愛らしい色で、この空気をカメラに収めたいと思い、思い切って声をかけてみました。

その名も「モジャのパン屋」。オーナーのもじゃさんとナオさん夫婦の、満面の笑顔がとても印象的なお店です。パンはどれもシンプルで素朴な味わいながら、とても美味しく、店内は和気あいあいとした空気に包まれていました。その雰囲気はお客さんにも自然と伝わり、笑顔が広がっていきます。

焼きたてのパンを頬張りながら、ようやく「人のいる場所に辿り着いた」という感覚が、じんわりと身体に戻ってきました。これが島の人の温かさなのだと実感します。

島の人の心は、「うたき」にあるのかもしれない

日本に来たとき、「神社」という文化があり、自然や神様を大切にする場所がまちの中にあることが面白いと感じていました。宮古島でも、それとは違う形として「御嶽(うたき)」という場所があることを知りました。

自然に向かって祈る場所らしく、今回の映像には欠かせないカットだと思いました。人々の日常に根づく祈りの場を見ることで、この土地への理解が少し深まる気がしたからです。

コーヒーを片手にまちを歩いていると、「漲水御嶽(はりみずうたき)」にたどり着きました。大きな建物ではないのに空気が違い、静かな存在感があります。「このまちにとって大事な場所なんだ」と感じ、気づけばその静けさをカメラに収めていました。

宮古の昼は、そばとチャンプルー

島をぐるぐると巡り、ギャラリーやカフェなどいろいろな場所を撮っているうちに、気がつけば12時を過ぎていました。そろそろ昼ご飯の時間だと思い、近くの食堂へ入ります。訪れたのは「菊栄食堂」。店に入ると、島の人たちが日常の延長のように出入りし、テーブルに座ってテレビを見ながらそばをすすっています。「そうだ、沖縄といえばそばだ」とふと思いました。

その静かな空間と、当たり前のように入ったり出たりするローカルの人たちの様子は、うまくカメラに収めきれなかったかもしれません。ただ、その曖昧な空気感は、今も記憶の中に強く残っています。

店内にはどこか懐かしい空気が流れ、お客さんと店の間に自然な会話が生まれています。これが島の心地よいコミュニティなのかもしれないと思いながら、その空気をカメラに収めました。

もう一品はゴーヤーチャンプルー。素朴な食材なのに驚くほど力強い味わいで、気がつけばあっという間に食べ終えていました。最後にお店の方の笑顔に見送られながら、店を後にしました。

白い砂で遊び、海と空に癒される

宮古島の天気は聞いていた通り気まぐれで、曇りや雨を繰り返していました。それでも、せっかく島まで来たので、カメラを持って「砂山ビーチ」へ向かいました。

白い砂と青い海は、ただそれだけで成立していて、ファインダー越しでも「白い」「青い」しか残りません。クバの葉をかき分けて進む道も、まだ海が見えないうちからすでに絵の中にいるようでした。

砂山ビーチのアーチは有名ですが、うまくフレームに収めるというより、その場の光や空気に引っ張られていく感覚の方が強く、気づけばほとんど見上げているだけでした。

海にたどり着くと、カメラはほとんど構えず、数カットだけ切り取ってあとは見ていました。雨に打たれながら、そのまま景色を受け取っているような時間でした。

宮古と、島のひとたちの日常に触れる

普段は撮影のときも、地図を見ながら「ここは撮りたい」と決めて動くことが多いのですが、今回の宮古島は少し違いました。場所を探すというより、そこにどんな人がいて、どんな空気が流れているのか、をテーマに島をうろうろしながら撮っていました。

島の人たちはとても温かく、何気ない会話や日常に触れられたことが印象に残りました。今回の旅で一番心に残っているのは、場所そのものより人との出会いだったのかもしれません。

車に乗ってちょっと離れたところにある、「福木商店」さんでは、初めての訪問にもかかわらず撮影にも親切に対応していただき、まるで家に迎え入れられたような空気でした。コーヒーも美味しく、撮影がバタバタで短い時間でしたが温かい余韻が残りました。ありがとうございました!

またいつか行きたいなと思いました。

HOTEL LOCUSへ

今回の撮影で宿泊させていただいたのは、ホテル ローカス 宮古島です。

立地がとても良く、宮古島をあちこち巡る拠点として便利でした。シンプルで洗練された雰囲気のホテルで、部屋から見える景色にも癒やされます。特にオーシャンビューのテラスが印象的で、到着した瞬間に「イントロのカットはここで撮ろう」と思ったほどでした。

撮影中も波の音が心地よく、本当に癒やされていて、思わず眠ってしまいそうになるほど。旅のあいだは外で過ごす時間が長かったのですが、ホテルに戻るたびにほっと一息つける安心感がありました。

飾らないけれど絵になる、そんな魅力を持ったホテル ローカス 宮古島。宮古島のゆったりとした空気感ともよく調和していて、とても居心地の良い空間でした。

ラウンジの大きな窓からたっぷりと差し込む自然光も心地よく、雨の日にもかかわらず空間全体が明るく、撮影もしやすく感じました。

宮古島のディープな日常にそっと溶け込みながら、旅人の小さな冒険を支えてくれる場所。ホテル ローカス 宮古島は、心地よい「光」が流れるような、また帰ってきたくなるホテルでした。

Miyakojima SPOT

1.HOTEL LOCUS
〒906-0013 沖縄県宮古島市平良下里338-40
2.モジャのパン屋
〒906-0000 沖縄県宮古島市平良東仲宗根20番地
3.PALI GALLERY
〒906-0013 沖縄県宮古島市平良下里574−6
4.漲水御嶽
〒906-0000 沖縄県宮古島市平良西里 史跡漲水御嶽と石垣
5.菊栄食堂
〒906-0012 沖縄県宮古島市平良西里13−6
6.福木商店
〒906-0008 沖縄県宮古島市平良荷川取646−7
7.砂山ビーチ
〒906-0000 沖縄県宮古島市平良荷川取
8.なみ吉
〒906-0012 沖縄県宮古島市平良西里231−2

Story writer /  Lorenzo

HOTEL LOCUS

沖縄・宮古島

宮古島の自然とアクティビティを満喫する体験型ホテル
ダイビング、サーフィン、サイクリング。ホテルを拠点に宮古島のあちこちを巡り、島全体を1つのリゾートとして楽しむひとときを。

WEB Instagram